野田首相は、TPP交渉への参加を表明したが、合意までの道のりは平坦ではない。
日本企業は、
①貿易自由化の出遅れ
②超円高
③電力不足
④厳しい雇用規制
⑤高い法人税
⑥国際的に不公平な環境規制
など「六十苦」による競争力低下にあえいでいる。このままでは生産拠点の海外移転による空洞化
が加速し、日本の成長力がさらに低下する恐れがある。TPPの交渉対象は、食品安全、医療、金
融、知的財産権など21分野に及ぶ。国益をしっかりと踏まえ、国際標準ルールを築く覚悟で交渉す
べきである。また、農業改革としては、農地を集約して規模を拡大し、生産性を高める仕組みが不可
欠である。新たな貿易ルールづくりに主導権を発揮して、日本の国益を確保しなければならない。